『請願』

ブライアン・クラーク 作
吉原 豊司 訳
貝山 武久 演出 

英国気鋭の劇作家がジェシカ・タンディにあてて書き下ろした対話劇。
核の恐ろしさ、残酷さを知る現代人にとって、登場人物が言葉を紡ぎながら定義する人の在り方、すれ違い、そして終末への歩みを、正面から見据える時間となる作品。
あらすじ

イギリスの瀟洒なアパートに住む、退役軍人のサー・エドムンド・ミルンは、退屈で静かな生活を送っていたある日、病身の妻のエリザベスが、新聞の核兵器先制使用反対の請願に署名していたことを知り激怒する。軍人として、生涯国を支持する立場にいるべきと考えるエドムンドに、妻は自分の行動の正当性と確固たる信念をぶつけ、老夫婦の激しい議論が展開していく。
メープルリーフ・シアターとの共催で、2012年に東京・両国シアターχにて上演。
あらすじを読むと、暗い?かたい?そんなイメージがありそうだけれど、この老夫婦の会話はウィットに富んでいて、長い夫婦生活のなかで生まれた絆と、対極にあるズレとが、ポンポンと明らかになっていって、この議論はどこにたどり着くのだろう・・・と、楽しみになってくる。
そんな二人芝居の静かな時間を、ご一緒しませんか?